介護業界ウォッチ【デイサービス基本料下げ】日経新聞2014年11月13日記事「厚労省方針 小規模型が対象」 厚生労働省は、施設での入浴や運動などを日帰りでできるデイサービス(通所介護)の基本サービス料を2015年度に下げる方針だ。料金全体の1割である利用者負担額も下がる。デイサービスは事業所数が膨らみ、過剰なサービス供給になりかねない。事業者の報酬を減らすと同時に市町村による参入規制策も入れ、供給を抑える。 13日に開く社会保障審議会(厚労省の諮問機関)の介護給付費分科会に、デイサービスの抑制策を示す。事業者がサービスの対価として受け取る介護報酬を3年おきに見直すのに合わせ、来春の実施を目指す。 引き下げるのは、前年度の月平均の延べ利用者数が300人以下の「小規模型事業所」が受け取る基本サービス料だ。小規模型の報酬は、現在は「通常規模型」(同301〜750人)より17%近く高い。小規模型の方が経費率が高い点に配慮して調整した結果だが、サービス1回当たりの経費額の差約8%と比べると割高な設定のため、経費差相応まで下げる。 16年4月から小規模型の指定権限を都道府県から市町村に移す。全体の6割近くに増えた小規模型への新規参入にブレーキをかける狙いだ。市町村は介護保険財政を担うため費用増となる新たな指定に慎重だ。 デイサービスは設備投資が少なく、利益率は厚労省の調べでは10.6%と高い。13年度の費用総額(自己負担含む)は約1兆5千億円と介護費全体の2割弱を占める。参入障壁の低さから、事業所数も4万弱に増え、費用額とともに介護保険制度創設直後の01年度の約4倍に膨らんでいる。